変形性膝関節症の本当の原因|「軟骨のすり減り」だけでは説明できない理由

変形性膝関節症の原因に悩む60代女性|膝の痛みと軟骨のすり減りだけでは説明できない理由を解説するイメージ

変形性膝関節症の本当の原因|「軟骨のすり減り」だけでは説明できない理由

一宮市で膝の痛みでお悩みの方から、「病院で変形性膝関節症と言われた。軟骨がすり減っているから仕方ないと言われた」というお声をよくうかがいます。確かに画像診断で軟骨の摩耗が確認されることはあります。ただ、「すり減っている」はあくまで結果であり、「なぜすり減ったのか」という問いこそが、本当に大切なことだと私たちは考えています。

目次

「軟骨がすり減っている」は原因ではなく、結果

変形性膝関節症と診断されると、「膝の軟骨がすり減っているから痛い」という説明を受けることが多いと思います。これ自体は正確な描写です。ただし、それは今の膝の「状態」を説明しているだけで、なぜその状態になったのかは、別の話です。

たとえば、タイヤが偏ってすり減っている車を想像してみてください。「タイヤがすり減っている」のは事実ですが、それはハンドルのアライメントがずれていたり、空気圧が左右で違っていたりといった「使われ方の問題」が積み重なった結果です。タイヤだけを見ていても、なぜそうなったかはわかりません。

膝も同じです。軟骨がすり減るのは、長年にわたって関節に偏った負荷がかかり続けた結果です。そしてその「偏り」は、体の使い方や動作のクセから生まれていることがほとんどです。

段階 内容
根本 体の使い方のクセ・動作パターンの偏り
経過 筋肉・筋膜の緊張 → 関節への持続的な圧迫・ねじれ
蓄積 特定の部位に繰り返し負荷がかかり続ける
結果 軟骨の摩耗・変形性膝関節症

「体の使い方」が軟骨をすり減らす

整体の視点から見ると、変形性膝関節症の背景には体の動作パターンの問題が深く関わっています。日常のなにげない動きの中に、膝を少しずつ傷めるクセが潜んでいることが多いのです。

動作パターン 01
膝が内側に入る歩き方
歩くたびに膝が内側に倒れる動き(ニーイン)は、膝の内側の軟骨に慢性的な圧力をかけ続けます。
動作パターン 02
膝を伸ばしきって立つ
常に膝を伸ばしきった状態で立つと、脚の外側が緊張し続け、膝関節内側の摩耗が進みやすくなります。
動作パターン 03
片足に体重を乗せるクセ
立ち仕事などで片足重心が続くと、荷重が偏り、一方の膝だけに負担が集中します。
動作パターン 04
股関節を使わずに歩く
股関節の動きが少なく、膝だけで歩幅をかせごうとすると、膝関節の負担が増大します。

これらは「やろうとしてやっている」わけではなく、長年の習慣として体に染み付いた無意識の動きです。だからこそ自分では気づきにくく、放置されやすいのです。

筋肉・筋膜の緊張が、関節を「締め続ける」

もう一つ見落とされがちな視点が、筋肉や筋膜の緊張が膝関節を持続的に圧迫しているという問題です。

膝の周囲には大腿四頭筋(太もも前面)・ハムストリングス(太もも裏)・腸脛靭帯(太もも外側)などの筋肉・筋膜が複雑に絡み合っています。これらが過緊張を起こすと、膝関節が四方から締め付けられたような状態になります。

筋膜の緊張と関節圧迫
 筋膜は体全体をつつむ薄い膜で、全身がつながっています。太もも外側の腸脛靭帯が硬く縮むと、膝の外側が常に引っ張られた状態になり、関節面の接触圧が高まります。これが日々積み重なると、軟骨への摩耗が進みやすくなります。

さらに問題なのは、痛みを感じると体が「患部をかばおう」として周囲の筋肉をさらに緊張させる点です。この防御反応が続くと、緊張→圧迫→痛み→さらなる緊張という悪循環が生まれ、症状が慢性化しやすくなります。

軟骨がすり減っているのは「結果」。
その背景にある筋肉・筋膜の緊張と
動作パターンの偏りこそが、「原因」です。

「すり減ったら終わり」ではない理由

変形性膝関節症と診断されると、「軟骨は一度すり減ったら再生しない」という説明を受けることがあります。これは一面では事実です。しかし、だからといって「もうどうにもならない」ということにはなりません。

なぜなら、痛みの多くは軟骨の摩耗そのものよりも、周囲の筋肉・筋膜の緊張や炎症、関節への不均一な圧力によって引き起こされているからです。実際に、レントゲンで重度の摩耗が見られても痛みが少ない方もいれば、軽度の変形でも強い痛みを感じる方もいます。この違いは、体の状態や使い方の違いに大きく依存しています。

整体的な視点
 筋肉・筋膜の緊張をほぐし、関節への圧迫を緩和すること。そして体の動作パターンを整えることで、今ある軟骨への負担を減らし、症状の改善を目指すことができます。「もう手遅れ」ではなく、「今から何ができるか」という視点が大切です。

また、股関節や骨盤のゆがみが膝への負荷の偏りをつくっていることも多くあります。膝だけを見るのではなく、体全体のバランスを整える視点が、繰り返す不調を変えるカギになります。

「年齢のせい」という言葉の本当の意味

変形性膝関節症は中高年に多い症状です。だから「年齢のせい」と言われることも多い。でも少し立ち止まって考えてみてください。

もし年齢だけが原因なら、同じ年齢の方が全員同じように膝を痛めるはずです。でも実際はそうではありません。80代でも膝に問題のない方がいる一方、40代で変形性膝関節症になる方もいます。

年齢を重ねることで体の回復力や組織の弾力性は変化します。それは事実です。しかし「どう使われてきたか」「どんな動作のクセが積み重なってきたか」という要素が、症状の出方を大きく左右します。年齢はあくまでも「時間の長さ」であり、その時間の中で蓄積されたものが問題の本質です。

  • 長年の歩き方のクセが、特定の関節面への摩耗を生んでいる
  • 何十年もかけて硬くなった筋膜が、膝を締め続けている
  • 若い頃からの姿勢のクセが、荷重バランスをずらし続けてきた

こう考えると、「年だから仕方ない」という言葉は、「時間をかけて積み重なったものだから、どうにもならない」という意味ではなく、「時間をかけて変えていける可能性がある」という言葉にも読み換えられます。

まとめ

「変形性膝関節症です」と言われたとき、多くの方がその言葉に少なからず落胆されます。「もうこの膝とずっと付き合っていくしかないのか」と。その気持ちはとても自然なことだと思います。

ただ、私たちが伝えたいのは、診断名はあくまでも今の状態を示す「名前」であり、これからの体の可能性を決めるものではないということです。

軟骨のすり減りは結果です。体の使い方のクセ、筋肉・筋膜の緊張、動作パターンの偏り——こういった「原因」に目を向け、一つひとつ丁寧に整えていくことで、体は変わる可能性を持っています。

当院では、膝の不調を訴える方の体全体を丁寧に確認し、どこにゆがみがあり、どこに緊張が集中しているかを読み解くことから始めます。「膝が痛い」という訴えに対して、膝だけを見ない——それが私たちのスタンスです。

もし今、膝の痛みを繰り返していたり、「もう仕方ない」とあきらめかけているとしたら、一度、体全体を見直す機会をつくってみてください。整体という選択肢が、これまでと違う視点をもたらすことがあります。

この記事を書いた人

整体院アクシス 院長 笹井公詞

2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。整体師歴23年。
腰や肩の痛み、手足のしびれなど、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ45,000人以上のお客様の健康に携わる。

院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3丁目9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/

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