腰の重だるさは「筋肉の疲れ」ではなかった——骨盤の関節から考えると見えてくること

腰の重だるさに悩む女性がベッドに座り、腰に手を当てている様子。背骨と骨盤のイラストが重ねられ、仙腸関節周辺が強調表示されている。左側には「腰の重だるさは『筋肉の疲れ』ではなかった——骨盤の関節から考えると見えてくること」というタイトルが配置されている。
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夕方になるほど腰が重くなる、あの感覚

夕方、台所に立って夕食の支度をしていると、気づけば腰がずっしりしてくる。 デスクで仕事をしていると、午後になるにつれてじんわりと腰が重くなってくる。

こんな経験がある方は多いと思います。

湿布を貼れば、その日は少し楽になる。マッサージに行けば、帰り道は軽くなる。でも次の朝にはリセットされていて、また同じ一日が繰り返される——。

「もう年だから仕方ない」「体質がそうなっているんだろう」と、どこかで自分を納得させながら、でも本当はもっと楽になりたいと感じていませんか?

これは体質でも年齢でもありません。体の仕組みどおりに起きていることです。そして、仕組みがあるということは、ちゃんと原因があるということでもあります。

腰まわりの筋肉は「犯人」ではなく「被害者」

腰が重だるいとき、多くの方は「腰の筋肉が疲れているんだ」と思います。だから筋肉をほぐしてもらうためにマッサージに行く。それ自体はおかしくありません。

でも、実はこういうことが起きています。

腰まわりの筋肉が硬くなっているのは、あくまでも「結果」です。本当の原因は、骨盤の関節が硬くなってしまったことにあります。

骨盤には、「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」と「腰仙関節(ようせんかんせつ)」という、2つのとても重要な関節があります。これらの関節が本来の動きを失うと、骨格を安定させるために腰まわりの筋肉が代わりに頑張り続けなければならなくなります。

筋肉はいわば「助っ人」として動員されているだけです。本来の役目ではないことを一日中続けるのですから、当然疲れてきます。それが「腰の重だるさ」として感じられるのです。

だからこそ、筋肉をほぐしてもらっても、しばらくするとまた戻ってくる。骨盤の関節のズレが残ったままでは、筋肉は何度でも同じように緊張させられてしまうからです。

「マッサージで楽になるけど、すぐ戻る」——この繰り返しに心当たりがある方は、筋肉ではなく骨盤の関節に目を向けることが、根本的な改善への第一歩になります。

夕方の腰の重だるさについては、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

仙腸関節と腰仙関節——この2つが「要」

少し専門的な話になりますが、腰の重だるさを理解するうえでとても大切なので、できるだけわかりやすくお伝えします。

仙腸関節(せんちょうかんせつ)とは、骨盤の中央にある「仙骨」と、その左右に広がる「腸骨」をつなぐ関節のことです。上半身の重みを受け止めて、それを左右の脚へ分配する「分岐点」の役割を担っています。

この仙腸関節の特徴は、座っているときも、立っているときも、横になって寝ているときも、つねに何らかの負担がかかり続けるという点です。体を支えるためにこれだけ酷使されている関節だからこそ、硬くなりやすく、硬くなったときの影響も大きいです。

腰仙関節(ようせんかんせつ)は、腰の骨(腰椎)の一番下と、仙骨をつなぐ関節です。椅子に座った姿勢で最も強く体重がかかる場所で、ここが詰まってしまうと、「椅子にじっとしていられない」「座っているとだんだん腰が辛くなる」という症状が起きやすくなります。

つまり、症状によって「犯人」が少し違います。

  • 椅子に座っているとだんだん重くなる → 腰仙関節が主役
  • 寝返りを打つたびに腰に響く、朝の起き上がりがつらい → 仙腸関節が主役

もちろん両方が同時に起きていることも多いのですが、こうして整理してみると、自分の腰に何が起きているかがイメージしやすくなると思います。

「朝は重いのに、動くと楽になる」のはなぜか?

腰の重だるさで来院される方によく聞くのが、「朝起きた直後が一番つらくて、動き始めると少し楽になる」という話です。

これはちょっと不思議に思いませんか?休んでいたはずなのに、なぜ朝がいちばんつらいのか。

実はこういうことが起きています。

寝ている間は体に体重がかかっていないため、腰まわりの筋肉は一時的に緊張を緩めることができます。でも、骨盤の関節のズレはそのままです。

朝に起き上がって動き始めると、血流が良くなり体が温まるので、筋肉の動きが滑らかになります。だから「楽になった」と感じる。ところがそれは関節のズレが解消されたわけではなく、あくまで筋肉の状態が改善しているだけです。

そして午後から夕方にかけて、体重を受け続けた骨盤の関節がまた疲弊していき、筋肉も限界に近づいてくる。だから夕方になるほど腰が重くなっていく——これが毎日繰り返されるサイクルの正体です。

「体質だから」ではなく、「仕組みどおりに起きている」だから、仕組みを変えれば変わる。そう考えると、少し希望が持てませんか?

朝に特に腰が重く、動き始めると楽になるという方は、こちらのコラムも参考にしてみてください。

放置すると、重だるさは「全身」に広がっていく

「腰が重だるいくらい、大したことない」と感じている方も多いと思います。でも、この段階で放置してしまうと、体はじわじわと別の場所にしわ寄せを起こしていきます。

たとえば、仙腸関節が硬くなると、横になって寝ているときでも腰が浮いてしまい、本当の意味でリラックスできない体になっていきます。寝ても疲れが取れないのは、骨盤の関節が緊張したまま眠っているからかもしれません。

また、骨盤の上につながる背骨の一部(ちょうどウエストの少し上あたり)が硬くなっていると、骨盤をいくら整えても安定しにくくなります。骨盤だけを見ていては解決できない理由が、ここにあります。

さらに骨盤のゆがみが続くと、股関節→膝→足首と、下半身の関節に連鎖的に負担が移っていきます。「なぜか膝まで痛くなってきた」「足首が疲れやすい」という悩みが、もともとは腰の重だるさから始まっていた、というケースは珍しくありません。

そして、ぎっくり腰というのも「突然なった」ように感じますが、多くの場合この「重だるさ」の積み重ねの先に起きています。体が限界を超えたときに、ようやく強い痛みとして現れてくるのです。

重だるいうちに向き合えれば、それに越したことはありません。

当院のアプローチ

当院では、腰まわりの筋肉をほぐすより先に、骨盤の関節——仙腸関節と腰仙関節——の状態を丁寧に確認し、本来あるべき位置へとミリ単位で誘導していくことを大切にしています。

関節が整ってくると、腰まわりの筋肉は「代わりに頑張る」必要がなくなります。筋肉が自然と緩み、重だるさが取れていく。これが当院の目指している「戻らない改善」です。

「夕方になっても腰が重くならなくなった」「椅子に座っていられる時間が長くなった」——そういった変化を実感いただけるケースが多いタイプです。

骨盤のゆがみのタイプ別の詳しい解説は、こちらをご覧ください。

この記事を書いた人

整体院アクシス 院長 笹井公詞

2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。
腰や肩の痛み、手足のしびれなど、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ43,000人以上のお客様の健康に携わる。

院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3-9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/

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