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「長く歩くと、片方の脚を引きずるようになる」「歩いている途中で、急にガクッと脚の力が抜けることがある」——そんな経験に、心当たりはありませんか?病院で「お尻の筋力が落ちていますね」と言われ、筋トレを勧められたけれど、続けてもなかなか変わらない、という方も少なくありません。今回は、歩行時の脚の重さや脱力の本当の原因と、当院が大切にしている施術の考え方についてお伝えします。
片脚立ちになったときに、支えている脚と反対側の骨盤が、ストンと下がってしまう歩き方があります。これは「トレンデレンブルグ現象(歩行)」と呼ばれるもので、長く歩くと片脚を引きずるような感覚につながります。
一般的には「中臀筋(ちゅうでんきん)」——お尻の横側にあり、片脚立ちで骨盤を水平に保つ役割を持つ筋肉——の筋力低下が原因と説明されることがほとんどです。しかし、当院が臨床の中で感じている本質は少し違います。
股関節の奥にある関節包(かんせつほう/関節をすっぽりと包んでいる袋状の膜)や靭帯が緊張し、大腿骨頭(だいたいこっとう/太ももの骨の先端にある、骨盤の受け皿にはまり込む丸い部分)が本来のニュートラルな位置からわずかにズレてしまっていることがあります。この状態では、中臀筋そのものは弱っていなくても、力をうまく発揮できない「収縮エラー」に陥ってしまうのです。
つまり「筋肉が弱っている」のではなく、「筋肉が正しく働ける環境(関節の位置関係)が崩れている」というのが、当院の考え方です。
収縮エラーの状態にある筋肉は、いくら鍛えようとしても、思うように力が入りません。スイッチがうまく入らない電化製品を、外から叩いても直らないのと同じで、まず整えるべきは「土台となる関節の位置」です。
股関節がニュートラルな位置に戻れば、それまで力の入らなかった中臀筋が、驚くほど自然に働き始めることがあります。筋トレを頑張っているのになかなか歩き方が変わらないという方は、鍛える順番が違っているだけかもしれません。
「歩いていて急に力が抜けて、膝や股関節がガクッとなる」という症状も、多くの方を悩ませています。これも、大腿骨頭のわずかなズレによって、脳から筋肉への指令がうまく伝わらず、神経と筋肉の連動が一瞬途切れてしまうことが背景にあると考えられます。
とくに、股関節の外側の奥にある外閉鎖筋(がいへいさきん/股関節を安定させる、深いところにある小さな筋肉)が硬くこわばっていると、この脱力が起こりやすくなります。外閉鎖筋については、股関節の外側の痛みについて解説したこちらのコラムでも詳しく触れています。

「変形性股関節症」と診断され、この歩き方とずっと付き合っていくしかないと感じている方も多いのではないでしょうか。骨の変形そのものを元に戻すことはできませんが、歩行時の痛みや重さの多くは、骨がぶつかっている痛みではなく、ズレた骨頭に引っ張られて関節包や靭帯が引きつれている「膜の痛み」であるケースが少なくありません。
骨頭を、負担の少ない位置へ丁寧に導き、その変化についていけていない深層の膜の緊張がゆるむと、変形はそのままであっても、歩行がスムーズになることは臨床の中で数多く見られます。
歩行時の脱力や重さに向き合うとき、当院では次の順番を大切にしています。
まず、股関節がはまり込む土台である骨盤・腰椎のねじれを整えます。土台がねじれたままでは、股関節をどれだけ調整しても、歩き出すとすぐに元に戻ってしまうためです。次に、大腿骨頭を、骨盤の受け皿の中でもっとも負担の少ない位置へと、無理のない力で丁寧に誘導します。強く押し込むのではなく、その位置で深層の筋肉や靭帯の緊張が自然にゆるむのを待つイメージです。最後に、股関節と連動して動く膝・足首の微調整を行い、歩行全体のバランスを整えます。この順番を踏むことで、トレンデレンブルグ現象や突然の脱力も、根本から予防しやすくなります。
歩行時の脚の重さや、急な脱力は、単なる筋力低下ではなく、股関節の位置関係が崩れていることによる「収縮エラー」が原因であることが少なくありません。当院独自の整体法では、筋肉を鍛える前に、まず関節が正しく働ける環境を整えることを大切にしています。「長く歩くと脚を引きずる」「急にガクッと力が抜ける」という方は、一人で抱え込まず、症状別ページもあわせてご覧のうえ、一度ご相談ください。


整体院アクシス 院長 笹井公詞
2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。整体師歴23年。
腰や肩の痛み、手足のしびれ、膝痛など、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ45,000人以上のお客様の健康に携わる。
院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3丁目9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/