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深夜、眠っていたはずなのに、寝返りを打った瞬間に腰にズキッと痛みが走って目が覚める。また眠れたと思ったら、次の寝返りでまた目が覚める。朝になる頃には、しっかり眠った気がしない。
こんな夜を繰り返している方は少なくありません。
「マットレスが合わないのかも」と寝具を変えてみた。「姿勢が悪いのかも」と横向きや仰向けを試してみた。でも、どれだけ工夫しても改善しない——。
じつは、この痛みの原因は寝具でも寝姿勢でもないことがほとんどです。骨盤の関節が「寝返りというねじり動作に対応できない状態」になっていることが、多くのケースで背景にあります。
「寝返りを打つだけで、なぜ腰が痛むのか」——この疑問を解くには、寝返りという動作のときに体の中で何が起きているかを知ることが助けになります。
仰向けから横向きへと体を回転させるとき、骨盤は左右にねじれながら動きます。このとき、骨盤の中心にある「仙骨(せんこつ)」と、その左右を挟む「腸骨(ちょうこつ)」をつなぐ「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」が、左右で交互にわずかに動くことで、体の回旋をスムーズに支えています。
健康な仙腸関節であれば、この動きは完全に無意識のうちに行われます。眠っている間に20〜30回繰り返される寝返りのたびに、関節はひっそりと働いているのです。
ところが、仙腸関節がロック(固着)してしまうと話が変わります。本来なら滑らかに動くはずの関節が、ねじれの動作に抵抗するようになります。そして寝返りのたびに「ガッ」という衝撃が腰まわりに走る。それが痛みとなって意識を覚醒させるのです。
「寝ているだけなのになぜ痛い?」の答えは、「寝ているだけ」ではなく、「眠りながら骨盤を何度もねじっている」からです。
「右向きに寝返りを打つと痛いが、左向きは大丈夫」「いつの間にかいつも左側を向いて寝ている」——こういったパターンに心当たりがある方も多いと思います。
仙腸関節のロックには、左右差があることがほとんどです。右の仙腸関節がより硬くなっていれば、右側へのねじりに強く抵抗が出る。だから「右向きに寝返りを打つと痛い」という非対称な症状が生まれます。
そして体は賢いので、痛い動きを自然と避けるようになります。「無意識に楽な方向にしか寝返りしなくなる」のです。
ところがこれが、じつは悪循環の入り口になります。片側の仙腸関節をほとんど動かさなくなることで、その関節はさらに硬くなっていきます。そして「いつも同じ向きで寝る」という習慣が、骨盤のゆがみをじわじわと深めていく——痛みを避けようとした行動が、原因をさらに育てているのです。
仙腸関節が寝ている間に固まっていくメカニズムについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。

寝返り痛がもたらす問題は、夜中に目が覚めることだけではありません。もう少し深いところにも影響が及びます。
人が眠っている間に行う寝返りには、大切な役割があります。体の同じ部位に体重がかかり続けないよう、圧力を分散する「体圧分散」という機能です。マットレスがどれほど良いものでも、寝返りなしでは特定の場所に負荷がかかり続けることは避けられません。
仙腸関節がロックして寝返りが痛くなると、体は無意識にこの動作を減らしていきます。すると、骨盤や腰まわりに同じ方向の圧力がかかり続けたまま朝を迎えることになります。
「寝ても疲れが取れない」「朝から腰がだるい」「起き上がるたびに一日がもう始まってしまう感じがする」——こうした訴えは、睡眠の質が低下したことによる回復不全そのものです。
さらに、睡眠不足や慢性的な疲労が蓄積すると、体全体の回復力が落ちていきます。本来なら睡眠中に少しずつ回復できるはずの関節や筋肉が、十分に休まらないまま翌日の活動を始めることになる。骨盤の関節が回復しにくくなる悪循環が、夜ごと積み重なっていくのです。
夜間だけの問題と思っていると、じわじわと昼間の生活にも影響が出はじめます。
仙腸関節は、寝返りだけでなく、歩く・立ち上がる・振り返る・階段を下りるといった日常の動作でも、常に回旋に対応し続けています。夜間の痛みを避けながら骨盤の回旋機能がどんどん低下していくと、こうした日中の動作にも「何となく腰が重い」「振り返るとき腰に違和感がある」という変化が現れはじめます。
「最近、歩いていると腰が張るようになった」「車から降りるときに腰が一瞬固まる感じがする」——こうした変化に気づいたとしたら、それは夜間の寝返り痛が昼間の機能にまで波及してきたサインかもしれません。
また、寝返り痛で何度も目が覚めるほどの状態であっても、病院でレントゲンを撮れば「異常なし」と言われることが多いです。仙腸関節のロックは骨の「形」の問題ではなく、「位置と動き」の問題だからです。画像検査にはそもそも写りません。「異常なし」と言われたのに痛みが続いているのは、体が嘘をついているのではなく、検査が見ていない部分に原因があるということです。
「病院で異常なしと言われたのに痛い」という状態の理由について、こちらのコラムで詳しくご説明しています。

一宮市の整体院アクシスでは、寝返り痛のある方に対して、仙腸関節が「回旋という動作にどう対応しているか」を丁寧に確認することから始めます。
立った姿勢・横になった姿勢で、左右の仙腸関節の硬さの違い・ロックの方向・周囲の靭帯や深層の筋肉の状態を読み取り、関節が本来の回旋機能を取り戻せるよう、ミリ単位で誘導していきます。
強い力は使いません。仙腸関節はもともとほんのわずかしか動かない繊細な関節です。押したり引いたりするのではなく、関節が「自分から動き出す」のを丁寧に待ちながら、固着をほどいていくイメージの施術です。
「施術後、初めて痛みなく寝返りが打てた」「その晩から朝まで目が覚めなくなった」「朝の腰のだるさがなくなって、一日のスタートが楽になった」——そんな変化をご報告いただくことが多いタイプです。
夜中に何度も目が覚めるほどの痛みは、当たり前でも年のせいでもありません。骨盤の関節に原因があるなら、整えることで変わります。
骨盤のゆがみのタイプ別の詳しい解説は、こちらをご覧ください。


整体院アクシス 院長 笹井公詞
2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。
腰や肩の痛み、手足のしびれなど、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ43,000人以上のお客様の健康に携わる。
院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3-9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/