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先日、当院にお越しの患者さんから、こんなお話を伺いました。
その方の同僚は、造園業で働くベテランの職人さんです。真夏の炎天下での作業中に熱中症になり、その日はしっかり水分を摂って休み、症状も落ち着いたそうです。ところが、翌日になって「目の焦点が合わない」という違和感が出てきました。心配になって病院を受診したところ、診断されたのは「脳脊髄液減少症」という、あまり聞き慣れない病名でした。
熱中症は、その日をしのげば終わり——そう思っている方も多いのではないでしょうか。ですが、このお話を伺って、熱中症には見落とされがちな”その後”があることを、改めてお伝えしたいと思いました。
私たちの体は、暑さを感じると自律神経が「熱を逃がしなさい」という指令を出す仕組みを持っています。皮膚の血管を広げて熱を外へ逃がしたり、汗をかいてその汗が蒸発するときの気化熱で体を冷やしたりする働きです。
ところが、気温や湿度が高い状態が続くと、この仕組みが追いつかなくなります。汗で体の水分や塩分が失われると血の巡りが悪くなり、体の表面から熱をうまく逃がせなくなって、やがて汗すらかけなくなってしまいます。これが、体の中に熱がこもった状態、つまり熱中症です。さらに脱水が進むと、体は心臓や脳を守るために血管を収縮させ始め、ますます熱を逃がしにくくなるという悪循環に陥ります。
水分・塩分補給が熱中症対策の基本とされているのは、こうした体の仕組みを踏まえてのことなのです。
さて、冒頭でご紹介した職人さんが診断された「脳脊髄液減少症」について、少し詳しくご説明します。
私たちの脳や脊髄(背骨の中を通っている神経の束)は、「硬膜」という丈夫な膜に包まれています。この硬膜と脳・脊髄の間を満たしているのが「脳脊髄液」という透明な液体です。脳や脊髄を衝撃から守るクッションのような役割を持ち、絶えず体の中を巡っています。
脳脊髄液減少症とは、何らかの理由でこの脳脊髄液が漏れ出し、量が減ってしまうことで、頭痛やめまい、目のかすみ、倦怠感、集中力の低下といった、さまざまな不調が現れる病気です。特に「起き上がると頭痛が強まり、横になると楽になる」という特徴的な症状が知られています。
原因としては、交通事故やスポーツ中の強い衝撃など、けがによるものが多いとされていますが、実はそれだけではありません。自治体の医療情報でも、けが以外の原因として「脱水を起こすような発熱」や「大量の汗をかいた際の水分摂取不足」が挙げられており、症状は脱水によって悪化しやすいことも報告されています。つまり、熱中症のように体から大量の水分が失われる状態そのものが、この病気のきっかけになり得るということです。
冒頭の職人さんのケースも、熱中症による強い脱水が、脳脊髄液の巡りに影響を与えた可能性が考えられます。「熱中症はその日だけの問題」と思わず、数日は体調の変化に気を配っていただきたい理由がここにあります。
なお、脳脊髄液減少症は病院での診断・治療が必要な病気です。目のかすみや強い頭痛など気になる症状がある場合は、自己判断せず、まずは医療機関を受診してください。
当院独自の整体法では、痛みや不調のある場所だけでなく、体全体の「巡り」に目を向けることも大切にしています。脳脊髄液もその一つです。
脳と脊髄を包む硬膜は、頭の骨(後頭骨)から背骨の中を通り、骨盤の仙骨まで一本につながっている、いわば体の中の”管”のような構造をしています。この硬膜の中を脳脊髄液が絶えず巡ることで、脳や神経は本来の働きを保っています。
もしこの巡りのどこかが滞ってしまうと、脳や神経が過敏になったり、自律神経のバランスが乱れやすくなったりすると当院では考えています。実際に、当院で発熱していたお子さんの施術をした際、首の付け根まわりの硬さをやさしく緩めたところ、施術中に熱が引いていったというケースもありました。これも、体の巡りが整うことで、本来自律神経が持っている調整力が働き始めた結果ではないかと捉えています。
なぜ体の不調が続くのか、その原因を病院で「異常なし」と言われてしまう方も少なくありません。そうした”モヤモヤ”の背景に、体の巡りの滞りが関わっているケースもあるのではないか——というのが、当院が施術で大切にしている視点です。

当院では、体の巡りをご自身でサポートするセルフケアとして「モゾモゾ体操」をお伝えしています。骨盤の中心にある仙骨を、呼吸に合わせてごくわずかに動かしていく体操で、力を抜いて、動いているかどうか分からないくらい小さな動きで行うのがポイントです。座ったままでもできるため、オフィスや電車の中でも取り入れやすいセルフケアです。
当院でも、体の巡りを整えることで症状に変化が見られた方は少なくありません。何年も続いていた耳の閉塞感が、モゾモゾ体操をしたその瞬間に消えた方。片頭痛の前兆として現れる「閃輝暗点」が収まった方。不眠が改善した方。こうした変化は、脳や神経まわりの巡りが整うことで、自律神経が本来の働きを取り戻した結果ではないかと当院では考えています。
もちろん、脳脊髄液減少症のように診断がついている場合は、医療機関での治療が最優先です。モゾモゾ体操は、その治療と並行して、ご自身で体の巡りをサポートするセルフケアとして取り入れていただくものとお考えください。
熱中症対策の基本は、なんといっても水分・塩分をこまめに補給することです。ですが今回ご紹介したように、熱中症による脱水は、その日の不調だけでなく、脳脊髄液の巡りにまで影響を及ぼすことがあります。目のかすみや頭痛など、いつもと違う症状が続く場合は、我慢せず早めに医療機関を受診してください。そのうえで、日頃から体の巡りを整えておくことも、こうした不調を遠ざける一つの備えになるはずです。一宮市で自律神経の乱れや体の巡りにお悩みの方は、当院の整体もぜひ選択肢に加えてみてください。

整体院アクシス 院長 笹井公詞
2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。整体師歴23年。
腰や肩の痛み、手足のしびれ、膝痛など、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ45,000人以上のお客様の健康に携わる。
院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3丁目9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/