股関節の外側(大転子)が痛むのはなぜ?——横向きで眠れない夜と、見落とされがちな「あと1割の痛み」の正体

「股関節の外側(大転子)の痛みを示すイラスト。横向きで眠る女性の股関節外側が赤く示され、骨盤と大腿骨、大転子周辺の構造を重ねて描いている。」


「横向きで寝ると、脚の付け根の外側が痛くて眠れない」「片脚立ちになると、外側にズキッと痛みが走る」——そんな股関節の外側の痛みに、心当たりはありませんか。お尻の横をマッサージしてもらってもその場限りで、しばらくするとまた同じところが痛み出す。整形外科で「特に異常なし」と言われた、という方も少なくありません。今回は、股関節の外側・大転子(だいてんし)まわりに痛みが出る本当の原因について、当院の考え方をお伝えします。

目次

「片脚立ちでグラつく」その正体は、大腿筋膜張筋の機能不全

股関節の外側、太もも付け根の出っ張った骨(大転子)のまわりには、中臀筋や大腿筋膜張筋という筋肉がついています。なかでも大腿筋膜張筋は、片脚立ちになったときに骨盤を水平に保ち、体重をしっかり支える役割を担っている筋肉です。この筋肉がうまく働かなくなると、片脚立ちのたびに外側がピキッと痛んだり、体がぐらついたりします。

大腿筋膜張筋は一つの筋肉のように見えて、内部で膜が2つに分かれている少し特殊な構造をしています。そのため、表面だけを触って「柔らかいから大丈夫」と判断してしまうと、奥の緊張を見逃してしまうことがあります。骨盤が横方向へ流れてしまっていることも、この筋肉に負担をかけ続ける一因です。

見落とされがちな「小臀筋」という筋肉

股関節の外側の痛みというと、多くの方が中臀筋をイメージされますが、実はもう一つ、見落とされやすい筋肉があります。中臀筋の奥にある小臀筋です。この筋肉は大転子の上のあたりにつながっており、片側だけ硬くなっていることに気づかれないまま、何年も放置されているケースが少なくありません。

「中臀筋を揉んでもらっているのに、なぜか外側の痛みだけ変わらない」という場合、実はこの小臀筋の左右差が影響していることがあります。表面の筋肉だけでなく、その奥にある筋肉まで確認して初めて、外側の痛みの全体像が見えてきます。

ご自宅でできる、大転子の左右差セルフチェック

立った状態で、両手の指先を左右の大転子(太ももの付け根の外側にある、少し出っ張った骨)にそっと当ててみてください。片側だけ骨の位置が高く感じる、あるいは軽く指で押したときに片側だけコリコリとした硬さや、弾くような詰まった感触がある場合、その側の筋肉や関節に負担が偏っているサインかもしれません。

ご自身で触って確かめられる情報には限界がありますが、「痛みのある側とない側で、触れた感触がどう違うか」を知っておくだけでも、ご自身の体の状態を客観的に把握する手がかりになります。特に、横向きで眠れないほどの痛みがある方は、痛む側の大転子が普段よりも高く、硬く触れることが多い傾向にあります。気になる方は、次にご来院いただいた際に、実際に触れていただきながら詳しくご説明することもできます。

歩いていて急に「ガクッ」となるのは、深層の筋肉が原因かもしれません

「歩いている途中で、急に脚の力が抜けてガクッとなる」という経験がある方は、お尻の奥深くにある外閉鎖筋という筋肉の緊張が関わっていることがあります。外閉鎖筋は、股関節の奥から大転子に向かって伸びる、ほとんど表面からは触れられない深い筋肉です。この筋肉が硬くなると、股関節の安定性が一瞬失われ、脱力のような感覚として現れることがあります。

「表面をどれだけマッサージしてもらっても、また同じところに戻ってしまう」という体の共通点については、こちらのコラムでも詳しく触れています。

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大転子付近に残る「あと1割の痛み」の正体

丁寧に施術を重ね、歩行時の痛みがほとんど消えたのに、大転子付近にだけ「あと1割」の痛みがどうしても残ってしまう——そんなケースにたびたび出会います。

この「あと1割」の正体は、股関節の局所の問題ではなく、手首や足首といった体の末端にある微細なロックが、膜のつながりを通じて大転子を引っ張り戻していることがほとんどです。手や足の先という、一見まったく関係のなさそうな場所のズレが解けた瞬間、残っていた最後の痛みがすっと消えることを、臨床の中で数多く経験しています。

股関節の外側は、中臀筋や大腿筋膜張筋、深層外旋六筋、そしてお尻の奥を通る坐骨神経とも近い場所にあります。お尻まわりの深層の筋肉が全身のバランスとどう関わっているかについては、坐骨神経痛に関するこちらのコラムもあわせてご覧ください。

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まとめ

股関節の外側の痛みは、中臀筋や大腿筋膜張筋といった表面の筋肉だけの問題ではありません。奥にある小臀筋や外閉鎖筋の緊張、さらには手首や足首といった末端の微細なズレまでもが、大転子まわりの痛みに関わっています。当院独自の整体法では、目に見える範囲の筋肉だけでなく、全身のつながりの中で本当の原因を探っていきます。「横向きで眠れない」「片脚立ちになると外側が痛む」という方は、一人で抱え込まず、症状別ページもあわせてご覧のうえ、一度ご相談ください。

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この記事を書いた人

整体院アクシス 院長 笹井公詞

2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。整体師歴23年。
腰や肩の痛み、手足のしびれ、膝痛など、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ45,000人以上のお客様の健康に携わる。

院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3丁目9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/

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