夕方になると肩が重い・腕が上がりにくい——「五十肩かも」と思ったら知ってほしい、肩こりとの境目

夕方になると肩が重く腕が上がりにくい女性と、五十肩と肩こりの違いを示す肩関節のイラスト

「最近、腕が上がりにくくなった。これは五十肩かもしれない」。そう不安になって当院に来られる方は少なくありません。ところが、実際にお体を確かめてみると、本当に五十肩になっている方は多くないというのが、私の臨床での実感です。

このコラムでは、夕方から夜にかけて肩が重くなる、腕が上がりにくい、特定の動きでつっかえるといったお悩みについて、肩こりと五十肩の境目をご自宅で確かめる方法と、肩こりの段階で何が起きているのかをお伝えします。

目次

「五十肩かも」の多くは、実は五十肩ではありません

腕が上がりにくい状態は、大きく三つの段階に分けて考えています。ひとつ目は、肩こりの延長で動きが重くなっているだけの段階。ふたつ目は、五十肩の一歩手前の段階。そして三つ目が、本当の五十肩です。

来院される方の多くは、ひとつ目かふたつ目に当てはまります。つまり、体のバランスが崩れて肩の動きが悪くなっているだけで、肩の関節そのものが固まりきってしまったわけではない、ということです。この違いを知っておくと、必要以上に不安にならずにすみます。

腕を上げる動きは、肩甲骨と肩関節の共同作業

腕を真上まで上げるとき、動いているのは腕の付け根の関節(肩甲上腕関節:けんこうじょうわんかんせつ)だけではありません。背中側では、肩甲骨も一緒に滑るように動いています。おおまかには、腕が2、肩甲骨が1の割合で協力し合って、腕を高く上げているのです。

引き出しにたとえると、わかりやすいかもしれません。引き出しがスムーズに開くのは、引き出し本体と、それを支えるレールがそろって動くからです。腕が引き出し本体、肩甲骨や、それを下から支える肋骨・背骨・骨盤がレールにあたります。レールが歪んでいれば、引き出しの中身(筋肉)をいくら整えても、途中でつっかえてしまいます。

肩甲骨が肩こりの土台になっていることは、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

セルフチェック:体の真横から腕を上げてみる

ご自宅でできる確認方法をご紹介します。鏡の前に立ち、体の真横から、痛みが出ない範囲でゆっくり腕を上げてみてください。無理に上げようとしたり、反動をつけたりはしないでください。そのとき、どのあたりまで上がるか、そして腕と一緒に肩がすくむような動きが出ないかを見ます。ここでいう「肩甲骨が上がる」とは、肩がすくむような動きのことです。

  • 腕が30度くらいまでしか上がらない(多くは利き手ではない側の腕)、または利き手側でも80度以下までしか上がらず、腕と一緒に肩甲骨が上がって肩がすくむ動きが出る場合は、五十肩の可能性が高いと考えます。
  • 腕が120度前後まで上がり、そこから先が重い場合は、肩こりと五十肩の境目にいる状態です。
  • 腕は耳のそばまで上がるのに、あと少しで耳にぴったりつかない場合は、肩こりの段階での「つっかえ」と考えます。

ここで大切なのは、腕だけでなく肩甲骨まで一緒に上がってきてしまう動きです。腕が一定の角度から先へ進めなくなり、それを補おうとして肩甲骨ごと持ち上げてしまうため、肩がすくむように見えます。なお、これはあくまで目安であり、診断ではありません。気になる場合は、無理に確かめ続けずにご相談ください。

五十肩の一歩手前と五十肩の違いは「その場で変わるかどうか」

当院では、五十肩の一歩手前なのか、本当の五十肩なのかを、骨盤や股関節を整えたときの反応でも見分けています。

五十肩の一歩手前の方は、腕を上げる動きが重く、肩の関節も硬くなっています。それでも、骨盤や股関節といった下半身を整えると、その場で肩の動きがかなり変わることがあります。肩そのものが固まったのではなく、体のゆがみでバランスを崩して、肩が動きにくくなっていた状態だったということです。

一方、本当の五十肩では、骨盤や股関節を整えても、その場での肩の動きはほとんど変わりません。肩の関節そのものに原因があるためです。この違いは、実際に施術をしてみて初めてわかる、当院ならではの見分け方です。

夕方から夜に重くなるのは「疲れ」が積み重なるから

「朝は動くのに、夕方から夜になると肩が重くて腕が上がりにくい」というお悩みもよく伺います。私は、その大きな理由は疲れの蓄積にあると考えています。

疲れがたまると、姿勢が崩れて猫背になり、筋肉や関節が緊張します。さらに、疲れは内臓にもたまり、内臓に溜まった疲れが反射作用として体の緊張を生み、腕の動く範囲も狭くなってしまうと、当院では考えています。一日の終わりに近づくほど腕が上がりにくくなるのは、こうした疲れの積み重ねが背景にあるのではないでしょうか。

症例をご紹介します。ずっと座ってパソコン作業をされている50代の女性は、仕事が終わるころに肩の動きが重くなり、つらいと来院されました。一日中の座り仕事で姿勢が崩れ(猫背)、体が固まり、循環も滞って疲れがたまっていました。そのため肩甲骨の動きも悪くなり、肩の動きが悪化していたのです。この方は、循環を促す調整をするだけでも肩の動きが改善し、さらに肩甲骨の動きを矯正すると、しっかりと腕が上がるようになりました。

特定の動きでつっかえる場合は、背中に原因があることも

五十肩ではなくても、特定の動きでつっかえる方もいます。以前に野球で肩を痛めた経験がある40代の男性は、腕を体の横から上げていくと、耳のそばまでは上がるものの、耳にぴったりとつかない状態でした。

こうした場合、背骨の両側を縦に走る脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)に問題があることが多く、この方も、肩ではなく脊柱起立筋の調整で改善しました。痛みや動きにくさを感じる場所と、その原因がある場所は、必ずしも同じではありません。

まず医療機関で確認してほしいサイン

次のような場合は、整体よりも先に、医療機関で確認していただくことをお勧めします。

  • 転倒やけがのあとから肩が痛み出した
  • 急に激しい痛みが出た
  • 肩が腫れている、熱を持っている、発熱がある
  • 胸の痛みや息苦しさを伴う
  • 腕に力が入らない、しびれがある

これらは、肩こりや五十肩とは別の病気が隠れていないかを確かめるためのサインです。当てはまらない場合は、体の使い方やゆがみが関わっている可能性があります。

当院の施術——肩だけを診ない理由

当院では、腕が上がりにくいからといって、最初から肩だけを触ることはしません。骨盤や股関節などの下半身、背骨、肋骨、肩甲骨と、全体のつながりを確かめながら、どこが肩の動きを妨げているのかを見つけていきます。痛みや動きにくさを感じる肩は、全身のゆがみの影響を受けている「被害者」であることが多いからです。強い刺激や、ボキボキと鳴らすような矯正は行わず、やさしい刺激でていねいに整えていきます。

まとめ

夕方から夜に肩が重くなる、腕が上がりにくい、特定の動きでつっかえる。こうしたお悩みの多くは、五十肩ではなく、肩こりの延長として体のバランスが崩れていることが背景にあります。まずは、体の真横から腕を上げてみて、どのあたりまで上がるか、肩がすくむ動きが出ないかを確かめてみてください。120度前後まで上がる、あと少しで耳につかない、という段階であれば、骨盤や背中、肩甲骨を整えることで、動きが変わる可能性があります。転倒後の痛みや急な激しい痛み、腫れや発熱、しびれなどがあるときは、まず医療機関で確認してください。一宮市の整体院アクシスでは、下半身から肩甲骨まで全身のつながりを確かめ、あなたの腕が上がりにくい理由をわかりやすくご説明します。

この記事を書いた人

整体院アクシス 院長 笹井公詞

2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。整体師歴23年。
腰や肩の痛み、手足のしびれ、膝痛など、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ45,000人以上のお客様の健康に携わる。

院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3丁目9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/

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