お尻の奥が痛い・脚がしびれるのはなぜ?——「揉む」のではなく「隙間をつくる」という股関節の考え方

お尻の奥の痛みと脚のしびれに悩む女性を中心に、股関節周辺と坐骨神経のイメージを重ね、「揉む」のではなく股関節に「隙間をつくる」という考え方を解説したコラムのヘッダー画像。

「座っていると、お尻の奥がじんわり痛む」「太ももの裏から足先にかけて、痺れるような感覚がある」——そんな症状に、心当たりはありませんか?お尻の筋肉をしっかり揉んでもらっても、その時は楽になるのに、しばらくするとまた同じ痛みが戻ってくる。整骨院や整体を何軒か回ったけれど、結局根本的には変わらなかった、という方も少なくありません。今回は、股関節の後ろ側・お尻の奥に痛みや痺れが出る本当の原因と、当院が大切にしている技術的な考え方についてお伝えします。

目次

なぜ「揉んでも」変わらないのか——お尻の奥にある6つの筋肉

お尻の痛みというと、多くの方が「お尻の筋肉(大臀筋)」をイメージされるかもしれません。しかし、坐骨神経痛のような痛みや痺れに深く関わっているのは、その大臀筋よりもさらに奥にある、6つの小さな筋肉群です。

この6つの筋肉は「深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)」と呼ばれ、梨状筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋・大腿方形筋という名前がついています。いずれも股関節を安定させ、つま先を外側に向ける動きに関わる、体の奥深くにある筋肉です。

坐骨神経は、これらの筋肉のすぐそば、多くの場合は梨状筋の下を通り抜けて、お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先へと伸びています。人体の中でもっとも太くて長い末梢神経ですが、通り道であるこの深層の筋肉が硬くこわばってしまうと、神経が窮屈に圧迫され、痛みや痺れとして現れてしまうのです。表面の大臀筋をどれだけ丁寧に揉みほぐしても、その奥にある本当の原因にまで手が届かなければ、痛みが繰り返されてしまうのはこのためです。

「強く押す」のではなく「隙間をつくる」という考え方

「痛いところを強く押してほしい」と感じる方は多いと思います。しかし、深層外旋六筋が神経を圧迫しているケースでは、強い力で押し込むことが、かえって神経をさらに追い詰めてしまうことがあります。

当院が大切にしているのは、筋肉を「潰す」ように押し込むことではなく、硬くなった筋肉と神経の間に、わずかな「隙間(ゆとり)」をつくることです。癒着して張りついてしまった膜を、ゆっくりと丁寧にはがしていくようなイメージです。ボキボキと骨を鳴らしたり、強い力で押しつぶしたりする施術とは、根本的に考え方が異なります。

神経そのものに直接アプローチすることはできませんが、まわりの筋肉や膜にゆとりが生まれれば、神経は自然と圧迫から解放されます。「強い刺激ほど効く」という思い込みとは逆の発想ですが、繊細な神経を扱う以上、これが遠回りに見えて実は一番の近道だと当院では考えています。

こんな症状に心当たりはありませんか?

お尻の奥の痛みは、日常のさまざまな場面で現れます。当てはまるものがないか、確認してみてください。

  • 車の運転をしていると、お尻の裏から足の裏まで痛みが響く
  • 歩いていると太ももの裏がつっぱって、こわばる感じがする
  • 少し歩くと膝下からすねにかけて痛み、足を持ち上げにくい
  • かかとから地面に着地するたびにズキッとして、しっかり踏み込めない
  • 足の指がジンジンとしびれる

これらは、坐骨神経が圧迫されている場所や程度によって現れ方が変わってきます。お尻に近い場所で圧迫が強い方は太もも裏の痛みが中心になりやすく、圧迫が長引いている方ほど、足先まで症状が広がっていく傾向があります。いくつも当てはまる方は、我慢を重ねてしまっているケースが多いように感じます。

見落とされがちな「内側」の癒着

お尻の奥の痛みというと、後ろ側にばかり意識が向きがちですが、実は太ももの内側にある内転筋群(恥骨筋・長内転筋・短内転筋・大内転筋など)の癒着が、坐骨神経を内側から引っ張っていることがあります。

後ろ側だけを丁寧に施術しても、なぜか痛みが半分ほどしか変わらない——そんなときは、この内側の癒着が見落とされているサインかもしれません。脚の内側の膜が骨盤の恥骨あたりでガチガチに固まっていると、坐骨神経は前後だけでなく内側からも引っ張られ続けることになります。表側と裏側、両方向からのアプローチがそろって初めて、痛みの全体像が見えてくることも少なくありません。

また、深層外旋六筋は大転子(太ももの付け根の外側の骨)にも付着しているため、股関節の外側の痛みと坐骨神経の症状が同時に現れることもあります。股関節の外側の痛みについては、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

土台となる「仙腸関節」との関係

深層外旋六筋がなぜ硬くこわばってしまうのか、その背景にあることが多いのが、骨盤の中心にある仙腸関節(せんちょうかんせつ)のロックです。仙腸関節は、もともとほとんど動かない関節ですが、わずかなねじれが生じることで、股関節全体のバランスが崩れ、まわりの深層筋が防衛的に固まってしまいます。

お尻の奥の筋肉だけをどれだけ丁寧に施術しても、この骨盤の土台がねじれたままでは、しばらくすると同じ場所がまた硬くなってしまいます。当院が股関節や坐骨神経の症状を診るとき、必ず骨盤の状態から確認するのは、こうした「土台からのズレ」を見逃さないためです。坐骨神経痛と股関節・骨盤の関係については、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。

まとめ

お尻の奥の痛みや脚の痺れは、表面の筋肉をどれだけ揉みほぐしても、なかなか根本的には変わりません。坐骨神経のすぐそばにある深層外旋六筋、見落とされがちな太もも内側の内転筋群、そして土台となる仙腸関節のねじれまでを含めて診ていくことで、初めて本当の原因にたどり着けます。当院独自の整体法では、強い力で押しつぶすのではなく、筋肉と神経の間に丁寧に「隙間」をつくることを大切にしています。「座っているとお尻の奥が痛む」「太もも裏から足先まで痺れる」という方は、一人で抱え込まず、症状別ページもあわせてご覧のうえ、一度ご相談ください。

この記事を書いた人

整体院アクシス 院長 笹井公詞

2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。整体師歴23年。
腰や肩の痛み、手足のしびれ、膝痛など、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ45,000人以上のお客様の健康に携わる。

院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3丁目9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/

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