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「靴下を履こうとして脚を上げた瞬間、脚の付け根にズキッと痛みが走る」「階段を上ろうとすると、鼠径部に力が入らない」——そんな股関節の前側の痛みに、心当たりはありませんか。揉んでもらった直後は楽になるのに、また同じ場所が痛み出す。整形外科で「特に異常なし」と言われ、湿布だけをもらって帰ってきた、という方も少なくありません。今回は、股関節の前側・鼠径部に痛みが出る本当の原因について、当院の考え方をお伝えします。
股関節は、球状の大腿骨の先端(骨頭)が、骨盤側の受け皿(臼蓋)にすっぽりとはまり込む構造をしています。前側に痛みが出る方の多くは、この骨頭が本来の位置よりわずかに前方へ寄ってしまっています。ミリ単位のズレですが、歩くたびにそのわずかなズレが、骨頭を支える腸腰筋や、関節を包む膜(関節包)を圧迫し続けます。
「歩き始めてすぐは平気なのに、15分ほど歩くと前側が痛み出す」という訴えをよくいただきますが、これはまさに、歩行という繰り返し動作の中で、圧迫され続けた組織が悲鳴を上げ始めるタイミングだと考えられます。靴下を履く、階段を上るといった、脚の付け根を深く曲げる動作でも、同じ理由で痛みが出やすくなります。
股関節の痛みなのに、なぜ腰の話が出てくるのか——不思議に思われるかもしれません。しかし、骨盤が前に傾いている状態、いわゆる反り腰があると、大腿骨頭が前方へ押し出される力がさらに強まってしまいます。腰を反っている自覚がない方でも、立ち姿勢や座り姿勢のクセの中で、じわじわと骨盤が前傾していることは珍しくありません。
股関節だけをどれだけ揉みほぐしても、この骨盤の傾きが残ったままでは、前方への圧迫は繰り返されてしまいます。当院が股関節の施術の前に、必ず骨盤の状態から確認するのは、こうした「離れた場所にある本当の原因」を見逃さないためです。反り腰と骨盤の傾きの関係については、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

股関節が痛むと、多くの方が「柔軟性を上げよう」と股関節を大きく広げるストレッチを試みます。しかし、股関節はもともと外側にひねる動き(外旋)の可動域が広い関節であるため、この動きを過剰に続けると、かえって骨頭を前方に押し出す力を生んでしまうことがあります。
股関節を外側にひねった状態を保ち続けると、その姿勢を支える深層の筋肉が縮んだまま固まりやすくなり、関節を安定させる前後のバランスが崩れてしまいます。その結果、骨頭が臼蓋のふちに衝突しやすくなり、かえって前側の痛みを助長してしまうケースがあるのです。
「良かれと思って続けていたケアが、実は負担になっていた」というケースは、股関節に限った話ではありません。膝の痛みでも同じような落とし穴がよく見られます。

日常の何気ない姿勢も、股関節の前方へのズレに関わっています。椅子に座って脚を組む姿勢は、股関節を支える3本の靭帯のねじれをゆるめ、骨頭が本来の位置から押し出されやすい状態をつくります。横座りも同様です。一回一回はわずかな負担であっても、毎日の積み重ねが、数年後の痛みにつながっていきます。
股関節の前側の痛みは、股関節そのものだけの問題ではありません。骨盤の傾き、日常の座り方のクセ、そして良かれと思って行っていたストレッチまでもが、少しずつ骨頭の位置を前方へと押し出していきます。当院独自の整体法では、痛む股関節だけを見るのではなく、骨盤の傾きから順番に整えていくことで、繰り返し起こる前側の痛みの根本的な改善を目指しています。
股関節の痛みには、今回ご紹介した前側の痛み以外にも、いくつかのタイプがあります。「歩くたびに鼠径部が痛む」「靴下を履くのがつらい」という方は、一人で抱え込まず、症状別ページもあわせてご覧のうえ、一度ご相談ください。


整体院アクシス 院長 笹井公詞
2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。整体師歴23年。
腰や肩の痛み、手足のしびれ、膝痛など、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ45,000人以上のお客様の健康に携わる。
院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3丁目9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/