首を回すとゴリゴリ・ジャリジャリ鳴る、動かしにくい——その原因は、首そのものではないかもしれません

首を回すとゴリゴリ・ジャリジャリ音が鳴り、動かしにくさを感じて首に手を添える女性。首の骨格や肩甲骨、肋骨周辺の筋肉との関係を表したイラスト。

首を回すとゴリゴリ、ジャリジャリと音がする。横を向こうとすると引っかかって回しにくい。後ろを振り向くのがつらい。こうしたお悩みで来られる方は少なくありません。そして多くの方が「首そのもの」に原因があると思って、首をほぐしてもらいに来られます。

ところが、当院で体を確かめていくと、首の動きにくさの原因が、首ではないところにあることがとても多いのです。このコラムでは、首のゴリゴリ感や回しにくさの背景に何が起きているのかを、当院での施術例とあわせてお伝えします。

目次

そのゴリゴリ・ジャリジャリは、何の音なのか

まず、音そのものについてです。首を動かしたときのゴリゴリ・ジャリジャリという感覚は、多くの場合、骨と骨の間や、筋肉と筋肉の間の滑りが悪くなっていて、なめらかに動けていないときに出てきます。すべり台のレールに砂がかんで、スーッと滑らず引っかかりながら動くようなイメージです。

ここで大切なのは、音が鳴ること自体を敵だと思って、音を消そうと首を揉んだり鳴らしたりしないことです。音は結果であって、原因ではありません。滑りが悪くなっている背景——つまり、なぜ首がなめらかに動けなくなっているのか——をたどっていくと、首ではない場所にたどり着くことがほとんどです。

首の筋肉は、首ではなく「肩甲骨や胸」から生えている

意外に思われるかもしれませんが、首を動かす筋肉の多くは、首の骨からではなく、肩甲骨や胸のあたりから始まって、首へと伸びています。つまり、首は上半身の土台の上に乗っているだけで、その土台が傾けば、首はまっすぐ立とうとして無理な姿勢を強いられます。

積み木を思い浮かべてみてください。いちばん下の積み木が傾くと、その上に乗った積み木は倒れないように少しずつ傾きを戻そうとします。そして、いちばん上に乗った積み木が、全体のバランスを取るために最も大きく傾かされます。体でいえば、骨盤や背骨が土台、いちばん上の積み木が首です。土台が傾いたまま、いちばん上の首だけをまっすぐ動かそうとすれば、関節に引っかかりや突っ張りが出るのは自然なことなのです。

だからこそ、首がゴリゴリするときに首だけを一生懸命ほぐしても、その場は軽くなった気がするのに、しばらくするとまた元に戻ってしまいます。土台が傾いたままなら、首はまたバランスを取らされ、同じところが張ってくるからです。首がなかなか良くならない方ほど、首から離れた場所に目を向けることが大切になります。

「巻き肩」が、首の回しにくさをつくっている——【当院の症例:40代女性】

もともと肩こりと腰痛があり、接骨院に通っても改善せず、お知り合いの紹介で来院された40代の女性がいらっしゃいました。特に肩こりが強く、首も回りにくい状態で、首を左右に回す、左右に倒す、前後に倒す、そのすべての動きに硬さ・引っかかり感・突っ張り感がありました。

姿勢を確かめると、いわゆる巻き肩——肩が本来の位置より前に出た状態になっていました。そこで、両肩を本来の正しい位置へ誘導しながら、もう一度同じように首を動かしていただくと、すべての動きで違和感が和らいだのです。さらに、骨盤を正しい状態に座り直していただくと首の違和感はもう一段軽くなり、腰(腰椎)も正しい状態に整えてもう一度動かしていただくと、首の違和感はほぼなくなりました。

巻き肩は、猫背によって肩甲骨が前へずれた状態です。そして猫背になっているということは、骨盤が後ろへ倒れ(後傾)、腰の骨も後ろに丸まって、体の土台が傾いているということ。土台が傾けば上半身も丸まり、いちばん上の首がその影響をまともに受けます。この方の首の回しにくさは、首ではなく、肩と土台のゆがみが生み出していたのです。

この方のように、肩甲骨が前や外へずれて自由に動けなくなっていると、首の動きも道連れに制限されます。当院では、首肩のこりや首の回しにくさに対して、肩甲骨がのびのびと動けるかどうかを、とても重視しています。肩甲骨が本来の位置で自由に動けるようになると、首はぐっと回しやすくなるからです。

首の付け根を揉むより、そっとゆるめたい場所

首こりがつらいと、首の付け根や鎖骨のきわにある、張った筋肉(斜角筋:しゃかくきんや胸鎖乳突筋:きょうさにゅうとつきん)をグリグリと押したくなります。けれども当院では、ここを強く揉むことはしません。これらの筋肉は、鎖骨と胸骨がつながる関節(胸鎖関節:きょうさかんせつ)の裏側に付いていて、この関節の動きがかたいままだと、いくら筋肉をほぐしても、またすぐに張ってきてしまうからです。

当院では、首の筋肉そのものを追いかけるのではなく、その筋肉が付いている胸鎖関節や肩甲骨、そして土台である背骨・骨盤の動きを整えていきます。関節がなめらかに動けるようになれば、そこに付いている筋肉は、押さなくても自然とゆるんでいきます。

セルフチェック:何気ない動きで「ポキッ」と鳴っていませんか

ご自分の首の状態を知る、ひとつの目安をご紹介します。日常の何気ない動きで、首がポキッと鳴ってしまう——これは、首のゆがみが進んでいるサインと考えています。

私自身も、パソコン仕事などが続いて「首の調子がイマイチだな」と感じるときは、ちょっと振り向いただけでポキッと鳴ることがあります。反対に、首や肩の調子が良いときは、ちょっとした動きで鳴らないのはもちろん、あえて鳴らそうと首を無理に倒してみても、まったく音は鳴りません。首がすぐ鳴る時期は、体の土台が傾いて、首が無理にバランスを取らされているのかもしれません。

ひとつだけ、お願いがあります。音が鳴るかどうかを確かめようとして、自分で首を強くひねったり、無理に倒したりしないでください。鳴らそうとして関節に負担をかけるのは、首にとって良いことではありません。あくまで、普段の動きのなかで気づく範囲で十分です。

強く揉む・自分で鳴らすことには注意を

ゴリゴリする首は、つい強く揉みたくなり、整体院などで首をボキボキと鳴らしてもらうと、その場はスッキリしたように感じます。けれども、首は神経や血管が集まる繊細な場所です。当院では、首を直接ボキボキ鳴らすような施術は行わず、土台から整えることで、首が自分からなめらかに動けるようにしていきます。強い刺激でその場の音や感触を変えるよりも、首が無理をしなくてよい体に戻していくことを大切にしています。

まとめ

首を回したときのゴリゴリ感や回しにくさは、首そのものよりも、前に出た肩(巻き肩)や、後ろへ倒れた骨盤・背骨という土台の傾きが背景にあることが少なくありません。首の筋肉の多くは肩甲骨や胸から生えているため、土台が傾けば、いちばん上の首が最も大きくバランスを取らされます。何気ない動きで首がポキッと鳴るときは、そのサインかもしれません。首だけを揉んだり鳴らしたりするのではなく、肩と土台から整えることが、遠回りのようで近道です。一宮市の整体院アクシスでは、骨盤から肩甲骨、首までのつながりを確かめ、あなたの首が動かしにくい理由をわかりやすくご説明します。

この記事を書いた人

整体院アクシス 院長 笹井公詞

2005年11月、一宮市に「整体院アクシス」を開院。整体師歴23年。
腰や肩の痛み、手足のしびれ、膝痛など、体の不調に苦しむ人のために、骨格矯正を中心とした整体施術で地域に貢献。これまで延べ45,000人以上のお客様の健康に携わる。

院名:整体院アクシス
住所:愛知県一宮市富士3丁目9-18
TEL:0586-25-5707
HP :https://hcc-axis.com/

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